私には嫌いなものが多すぎる。
「別に…私は直斗のことが好きなわけじゃないの…」
「え?」
「直くんだけだった。
私を普通の女の子として接してくれたのが。
病弱だった私は、小さいころから学校に行けなくて
病状が安定したから少し学校に行ってみると
『小さいころから入院しているかわいそうな子』
そんな目で見られて、いきなり倒れられたら怖いからって誰も遊んでくれなかった。
そんな中、直くんは『遊ぼう』ってみんなの中に入れてくれて、
病状が悪化して入院した後も、時々お見舞いに来てくれていろんな話をしてくれて…
直くんだけが私を理解してくれたの。」
静かに窓の外を見ながら話す美玖さんの表情はすごく大人びて見えた。