私には嫌いなものが多すぎる。






「…こんなに直くんにお世話になってるのに私は何も返せていない。



だからさ…


お願いがあります」





まっすぐに私の目を射るように見つめられ、背筋を伸ばして私も見つめ返す。





「私は、もう直くんの辛そうな笑顔を見たくない…


きっと直くんの一番の笑顔を引き出せるのはあなただけ。



…だから、直くんの傍にいてあげてくれませんか?」






お願いします



と頭を下げる美玖さんに私は慌てて頭を上げさせた。






「み、美玖さんっ頭あげてください!!」



「お願い聞いてくれるならあげる」



「聞くから!」



「本当!?」




< 319 / 331 >

この作品をシェア

pagetop