雨が降るから。
「そうすれば、…これからも一緒に帰れるし…。それに琉ちゃん、部活とか決めてないでしょ?生徒会に入れば、部活なんて入らなくても内申点UPだよ!!」
はぁ、と思わず大きなため息が漏れる。
俺は別に内申点稼ごうとか思ったことないし、それに優花と違って優秀な大学を目指しているわけじゃない。
だから…ってそもそも、俺が生徒会なんていう前に出る目立つ仕事が向いているわけがない。
「入らない、」
「えーー??なんでー?あたしといっしょに帰れなくなるんだよー?」
「いや、べつに…。あの、一人でも帰れるし…」
「琉ちゃん危なっかしいんだから、あたしが一緒じゃないと!!って、琉ちゃんのママもいってたんだから!」
「うーー…ん…まぁ、考えておく…」
あーぁ。これはもういつものパターンだ。
優花はいつも俺をいいように使う。
本当は優花が1人で帰りたくないくせに。
ってのはわかってるけど絶対に言わない。
優花を怒らせるのはこわいし、それになんかまぁ面倒臭いことになりたくないし。
と、なんだかんだ話していると優花の家につき別れを告げる。
「じゃね!琉ちゃん、明日は寝坊しないでねっ?」
「いつも寝坊なんてしてないよ…優花がはやいだけ」
「そんなことないよ。早く行ったほうが電車も空いてるし!まぁそういうことで明日も、同じ時間に行くからね!」
「うん、じゃーね」
大きくぶんぶんと手を降る優花を横目で見て、ここから50メートルも離れていない自分の家へと向かった。