空まで届け
お母さんに手を振り病室から出た。
お父さんは受付で書類を書いたり、いろいろするらしいから、
私はそとのベンチで待っておくことにした。
ベンチに座って一休みしていると、
ピンク色のボールが転がってきた。
取りに来たのは5歳くらいの女の子だった。
「はい!どうぞ」
私はボールを渡したが恥ずかしいのか
なかなか受け取ってくれない。
女の子がモジモジしていると、
後ろから走ってくる足音が聞こえた。
「すみません!妹のボール有り難うございます」

待って。この声って。
まさかと思い顔をあげた。
そこにいたのは水色の病衣を着た

空良だった。
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