空まで届け
「寒っ!!風凄いね!小春!」
「う、うん。」
確かに今日は一段と寒い。
「なにがあったの?」
言ってはいけないことかもしれない。けど、
私は黙っておくことができなかった。
「昨日お母さんの病院に行ってきたんだ。
そしたら、そこにね病衣を着た空良がいたの。
それでね…。」
私は空良が余命1年だということを
実桜に話した。
込み上げてくるものは どんなに頑張って
抑えようとしても駄目で、
私はその場で泣きじゃくった。

すると、実桜は しゃがみこむ私の肩に
手を置いた。でも、その感じがいつもと
違う気がして、なんだか
私の知っている実桜じゃない気がして
私は顔をあげた。
「…実桜?」
泣いていた。号泣する私に気を使ったのか、
片手で顔を必死で隠しながら
泣くのを我慢していた。
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