空まで届け
「小春。あのね、あたし岩瀬くんが
好きだったの。いまでも 小春と岩瀬くんが
付き合い始めたときもずっと、
岩瀬くんのことが好きだった。叶わない恋だけど、
岩瀬くんを見ているだけで
岩瀬くんと話せるだけで嬉しかった。」
「ごめん小春…」
そう言うと実桜は走り去ってしまった。

知らなかった。実桜、空良のことが
すきだったんだ。私最低だ。
空良のことも気づいてあげられなかった。
実桜のことも…

結局教室に戻ることができず、
私は体調が悪いといって早退してしまった。
「おい小春!大丈夫なのか?」
学校にはお父さんが迎に来てくれた。
「大丈夫だよ。」
私はお父さんにまで嘘をついてしまった。
本当は大丈夫じゃないけど、
これ以上私が周りに頼ると
みんなに迷惑をかけてしまう。
みんなを泣かせてしまうと思ったから。
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