空まで届け
病院に着くとお母さんの眠るベッドの周りには
たくさんの看護師さんが集まっていた。
私は静かに眠っているお母さんの顔を見た。
「不思議だよな。信じられないよな。
こんな綺麗な顔してるのに、いまにも
笑い出しそうなのにな。」
お父さんはそういうとお母さんの顔に
手をあてた。

もうどんなに強く願っても、
お母さんの笑った顔は見れないんだと思うと
私は涙がとまらなかった。
< 32 / 55 >

この作品をシェア

pagetop