空まで届け
「おう。望月 久しぶりだな」
紙飛行機片手に空良は笑ってそう言った。
「うん」
「お前それって…」
私は視線を落とした。私の手に握られていたのは
生きたいと書かれた紙飛行機だった。
「これを書いたのって空良なの?」
空良は黙ってうつむいていた。
「ねえ、空良」
「うるせぇんだよ。
あと、俺が書いたんじゃないぞ?
なんも言ってねーのに勝手に決めつけんな。
俺本当にお前のそういうところ無理だわ」
そういって、空良は持っていた紙飛行機を
くしゃくしゃにして投げ捨て、
教室へと戻っていった。
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