巡逢~茜色の約束~
生きる意味を探すこと。



勿論、あの気持ちは嘘じゃない。

心からのものだった。



……だけどどうしても、邪魔をする。

3年前の記憶が、俺を惑わせる。

一度希望を失ったこの世界で、再び生き甲斐を見つけられるのかと。

それは無駄な足掻きではないのかと。



美生の言葉が、想いが、生半可なものではないことは知ってる。

だからこそ、それに応えたいと思った。

美生が俺を必要としてくれるなら、と。



けど、“死にたい”という気持ちが俺の中から消えたわけじゃなくて。

その望みは、俺の根底で強く生きている。



“死にたい”なんて、面白半分で言うもんじゃない。

そこに至るまでには沢山の苦しみがあって。



「簡単に言ってたわけじゃない……」



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