巡逢~茜色の約束~
美生はこのまま、穏やかに別れの瞬間を迎えることを望んでるんだろう。
明後日から、美生がいない日々を俺が平然と送ることを。
「……じゃあ、朝でお別れだな」
「……え?」
「ここで笑って送り出せる程、俺……強くねえからさ」
この家を出て行く美生を引き留めないでいられる自信が持てない。
さっきみたいな言葉を投げ掛けて縋ってしまうだろうから、俺の為にも、美生の為にも、きっと俺はその場所にいない方がいい。
「明日は晴れるって。大阪まで結構あるだろうし、雨じゃなくてよかった」
「……うん、そうだね」
胸につっかえたあの写真の謎を問う機会なんてないまま、今日が終わる。
そして迎える朝は──
明後日から、美生がいない日々を俺が平然と送ることを。
「……じゃあ、朝でお別れだな」
「……え?」
「ここで笑って送り出せる程、俺……強くねえからさ」
この家を出て行く美生を引き留めないでいられる自信が持てない。
さっきみたいな言葉を投げ掛けて縋ってしまうだろうから、俺の為にも、美生の為にも、きっと俺はその場所にいない方がいい。
「明日は晴れるって。大阪まで結構あるだろうし、雨じゃなくてよかった」
「……うん、そうだね」
胸につっかえたあの写真の謎を問う機会なんてないまま、今日が終わる。
そして迎える朝は──