巡逢~茜色の約束~
当たり前のように昇る太陽も、呑気に広がる空もいらねえよ。

俺はただ──



「……っ」



ぐっと唇を噛み締める。

血が出そうなくらい噛んだけど、抉られた心の傷の方がずっと痛かった。





一時間目が始まるのと同時に、教室に足を踏み入れた。

初めこそ教科担当の先生に怒られていたけど、今はもうみんな振り向きもしない。

あぁまたアイツか、そんな声なき声が伝わってくる。



俺の心はもう、壊れているのかもしれない。

だってもう、そんな環境下にいたって何も思わないんだ。





土曜日なので文化祭の準備はなく、終業後すぐに門に向かうと、セーラー服を着たの美生の姿が既にあった。



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