巡逢~茜色の約束~
何の躊躇いもなく職員室の扉を開けると、丁度担任がこちらを向いて目が合い、手招きされた。



「わざわざ来てもらって悪かった」

「……いえ」

「渡しそびれたのはこれなんだ。重要だから、失くすなよ」



担任の手から青い封筒を受け取り、小さく頷く。

これで終わりかと思いきや、担任は何やら一番下の引き出しを漁りだした。



「それとな……これ。この前言ってた総合大学。ピックアップしておいたぞ」

「……あぁ。忘れてた」

「忘れてたって、お前な……。特徴とかも書いてあるから、しっかり目を通して、早めに決めなさい」



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