巡逢~茜色の約束~
「えっ、してた⁉︎」

「してた」

「気付かなかった……」



恥ずかしい、と両手で顔を覆う。

意地悪が働いてそんな手を退けてやりたくなるんだけど、それを赦される関係じゃない俺には結局は何も出来ないんだ。

許容範囲って、どうやったら知れるんだよ……。



「もう一回!もう一回やろ!」

「いいけど、結果変わらねえと思うぞ」

「そんなのわかんないじゃん!ほら!」



美生が押し付けてくるリモコンを渋々受け取り、コンティニューを押した。





それから、どれくらい経っただろう。

東にあった太陽が随分上まで昇ってるから、恐らく数時間は画面に向き合ってたんだと思う。



ふう、と息を吐く俺の横で項垂れる女が1人。



「な?結果変わんねえだろ?」



薄笑いを浮かべて言ってやると、美生は涙ぐんだ目で噛み付いてきた。



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