巡逢~茜色の約束~
「初心者なんだから手加減してくれたっていいでしょー!」

「手加減してこの結果なんだけど」



俺の言葉に、美生はまた目を釣り上げる。



「もー!ほんと悔しい!絶対マスターするからっ!」

「俺が学校行ってる間にやり込むんじゃないだろうな」

「当たり前でしょ?時間はたっぷりあるもん」



それ……そんな自慢げに言うことじゃねえよ。

呆れ顔の俺に見向きもせず、美生は時計を見て声を上げた。



「もうこんな時間。どうりでお腹空いたと思ったよ」

「12時回ってんじゃん。朝飯食べないままだったし、それ食べるか」

「うん。準備するね」



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