巡逢~茜色の約束~
黙々と昼食をとり、気付けば食器は空になっていた。



「ご馳走様。美味かった」

「あ、うん。よかった」



自分でやると怒られるので、食器を置いて席を立つ。

ベランダの向こうに広がる青空に、あることを思い出した。



「そうだ。お前って、映画詳しい?」

「あんまり観ないけど……どうして?」



美生の返事に、俺はテレビボードの引き出しを開けた。

その中から、青いパッケージのDVDを取り出す。



「これ。飛行機の映画なんだけどさ、観ようぜ」



俺のオススメ、と言ってみせると、美生は表情をパッと明るくして、大きく頷いた。



再びリモコンで画面を切り替え、DVDをセットする。

昼飯を食べ終えた美生は、その間に俺の分と一緒に食器をシンクへと運んでいった。



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