好きになんてなるわけねーだろ!!!
「今、杏奈が思ってること、仲岡に言えよ。」
そう言いながら、そっと、私に回していた腕を放す。
『…でも、聞いてもらえないよ。』
嗚咽の混じった口調で弱音をはいた。
あんなに徹底的に無視されたんだもん。
「…大丈夫。話せば聞いてくれる。お前の気持ちが分かれば、傷つけることは絶対しない。
そういうやつだから、お前らは親友になったんだろ?」
ふんわりと、幼い子に言い聞かせるように言う。
私は小さく頷いた。
「聞いてくれないとか、関係ねぇよ。言わなきゃなにも伝わらないんだからさ。」
そういった光輝は、もういつもの意地悪な笑顔に戻っていた。
「もし、本当に無視されて聞いてもらえなかったら、俺のところに来い。
また、慰めてやるから。」
私は、うっすらと涙の滲む目を擦る。
……言わなきゃ、伝わらない。
当たり前だよね。
私が笑顔を見せると、光輝はぐしゃっと頭を撫でて言った。
「やっぱ、ブサイクだな!」