好きになんてなるわけねーだろ!!!
「なんで?霜出光輝と付き合ってるから?」
俺は、眉を潜めて振り替える。
……俺???
内容が気になり、少し戻って角の壁に持たれかかるようにして聞き耳を立ててみる。
いや、盗み聞きとかそういう趣味はないけど。
………気になんじゃん?俺の名前出てんだし。
「…いや、そういうんじゃないですけど。それに、私と光輝は付き合ってないです。」
そのとき聞こえてきた、告白されている側、だと考えられる女子の声。
その声が、あまりにも聞き覚えのある声で耳を疑う。
…え、いや。あいつなわけ、ないよな。
「そんなこと言って、本当は霜出光輝のことが好きなんだろ?」
「ちっがいますよ!!!!」
男顔負けの大声で怒鳴る音声に、俺は納得する。
……間違いない。杏奈だ。