好きになんてなるわけねーだろ!!!
長い間走り続けて、さすがに息が切れた私はスピードを緩める。
本当、何やってんだろ、私。
自分の行動に苦笑いをこぼし、いつもの通学路を家に向かって歩き続けた。
そんなとき、後ろから聞こえてきた大きな足音。
驚いて振り向くと、ものすごい早さで走ってくる光輝が見えた。
ーは!?!?
反射というべきか、その凄まじい姿を見た私は、再び走り出す。
今度は、光輝から逃げるために。
「…あ!!!おいっ、逃げるな!!」
『じゃあ、追いかけてこないでよ!?』
学年男子でダントツな足の速さを持つ光輝。
いくら全力で走っても、追い付かれることくらい分かっている。
ーーでも。悪あがきだ!
男子の中でトップの光輝には及ばないけど、私だって女子の中では速い方。
小学校と中学校の運動会では、いつもアンカーだったんだから!!
私は、光輝の圧力から、少しでも逃げれるよう、走り続けた。