好きになんてなるわけねーだろ!!!
「……さっきの、なんだよ。」
長い沈黙のあと、やっと口を開いた光輝。
『…さっきの、て。』
「…お前、なにあいつにキレてんの?」
その一言で、さーっと血液が上がってくるのを感じた。
光輝は、私が光輝の彼女に言いたい放題言ったの、聞いてたんだ。
………それを、怒ったんだ。
『…キレて、ない。』
「キレてんだろ、今も。なんでだよ。」
分かんないよ。
自分でも分かんないんだもん!!
黙り込んだ私に、光輝が呟いた。
「…お前、俺のこと好きなの?」
顔が一気に火照る。
違う、違う。絶対違う!!
『………がう、』
「は?」
『違う!!あんたみたいな自意識過剰男!好きになんてなるわけない!』
突然の大声に驚いたのか、私の顔の横に置いていた手をどける光輝。
私は、そんな光輝を睨み、家へと駆け込んだ。