好きになんてなるわけねーだろ!!!
#11 俺の気持ち
家へ駆け込んだ杏奈を目だけで追い、誰もいなくなった路地裏で、俺はずるずると、しゃがみ込んだ。
『………はぁーー…』
なにやってんの、俺。
てゆーか、ありえねーだろ。
杏奈が俺のこと好きとか絶対ねーのに。
『……まじで俺、なにがしてーんだよ。』
ーーキキーッ
そのとき、道路側で自転車を止める音が聞こえてそちらに顔を向ける。
チャリから降りた男子も、俺の方を見ていて、ばっちり目があってしまった。
「…いや、お前なにやってんの?」
慌てて目を反らしたが、遅かったらしい。
黙っている俺に、慶太は鞄を見せた。
「お前、カバン置いて行くから、持ってきたんだよ。とにかく部屋あげろ。」
そう言って、俺の返事も聞かず歩いていく慶太を見て、俺は渋々立ち上がる。
そして、慶太を部屋へと招き入れた。