好きになんてなるわけねーだろ!!!


俺が考えてることが伝わったのか、慶太は呟く。


「…妬いたんだよ。杏奈ちゃんが、光輝からあんなに離れるのは初めてだから。」


そんな、わけねーよ。

だって、俺は。


杏奈の、ただの幼馴染みで。



………でも。


それなら、なんでイラついた?

なんで……泣き顔に動揺した?


今までに、何度も同じような状況があったのに。


どうして、今だけなんだーーー


『…どーゆーことだよ。』


認めたくなくて、受け入れたくなくて。

なんとか言葉を絞り出した俺に、慶太は言った。


「…だから、もう、ひとつしかないだろ」


やっぱり、そうなのかな……。


慶太の声に、俺は深く息を吐く。


俺は、いつの間に、杏奈を。


ーー好きになってたんだろう。


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