好きになんてなるわけねーだろ!!!


「昨日何があったの!?」


葵に言われて私は押し黙る。


……分かんないんだもん。

でもなんか、こう…ムカついて。走り出して。追いかけられて。


……ばか、好きになんかなるわけないって言ってるじゃん。


黙り込む私を見て、葵はため息からの苦笑。


「昨日の、見たくなかったの?それは、ごめんね。」

『……別に。私はあんなの見たところで、なにも、おもわ、ないし…?』


片言になってしまったことは触れないでおこう。


「…もう、とにかく、何があったか知らないけど!!」


そう言いながら、葵は私の手を引っ張り、廊下に出て歩いていく。


『え、ちょっと葵!?』

「いーから、意地張ってないで借りてきな!」


そして、光輝の教室、D組へと押し込められた。


「…え?」


戸惑った表情を浮かべる光輝と目があってしまった私。

諦めて、光輝のもとへと向かうことにした。


「……なんで気付かないの。好きだって。」


後ろで呟く、葵の言葉なんて聞かないまま。

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