好きになんてなるわけねーだろ!!!


「聞きたいことがある。」

『…え、だから、何の教科って……』


じっと私を見つめる目に、私はそれ以上何も言えなかった。


「杏奈にとって、俺はなに?」

『え、な、え……幼馴染み…だよ。』


やばい、なにこれ。

息ができない。

光輝が知らない人みたい。


私の答えに、光輝は少しだけ笑みを見せ、だよな、と呟いた。


「……俺にとっての杏奈は…」


光輝の放つ、知らない人のような空気に黙っていることが出来ず、私は呟く。


『幼馴染み、でしょ?』


その答えを聞いて、困ったように笑う。

そして、ぽろりと落とすように、その言葉は放たれた。


「俺にとっての杏奈は、好きなやつなんだよ。」
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