好きになんてなるわけねーだろ!!!
★第4章★
「ねえ、杏奈。最近、光輝と登下校してないね。」
『…んー?うん、まーね……』
首にマフラーを巻きながら言う裕太。
季節はもう11月。
秋と言えば秋だけど、寒さでいえば、もう冬だ。
「毎年、この時期になると、マフラーとられたとか言って騒がしいのに。」
よし巻けた。そう呟いて、まだパジャマ姿の私を見る。
「光輝と喧嘩でもした?」
『してないよ、時間が合わないだけ。時間があったときは一緒に帰ってるでしょ。』
そう言っても裕太は不満そうな顔を崩さない。
「前は毎日だったじゃん。」
『高校生にはいろいろあるの!いーから早く行きなよ!幸待たせたらだめだからね!』
裕太はまだまだ不満そうにしながらも、家を出ていった。