好きになんてなるわけねーだろ!!!


「よしっ!私決めた!」


笑っていたと思ったら、急に何かを宣言するかのような顔つきになった。


『…な、なにを…?』

「楠木さん!!友達になろう!」

『…え、ええ?』


突然発された言葉に驚きを隠せず、目を見張る。


「…ううん、友達なんかじゃない。親友になれるように私頑張るから!」


パッと、差しのべられた手を見つめ、戸惑う私にその子は微笑んだ。

その笑顔がなんとも愛しくて、私もしっかりと手を差し出す。


『よ、よろしく…ね?』

「うん!!ありがとっ!」


お礼を言うのは、こっちの方なんだけどな。


それが、私と(あおい)の友情の始まりだった。

< 17 / 277 >

この作品をシェア

pagetop