好きになんてなるわけねーだろ!!!
「よしっ!私決めた!」
笑っていたと思ったら、急に何かを宣言するかのような顔つきになった。
『…な、なにを…?』
「楠木さん!!友達になろう!」
『…え、ええ?』
突然発された言葉に驚きを隠せず、目を見張る。
「…ううん、友達なんかじゃない。親友になれるように私頑張るから!」
パッと、差しのべられた手を見つめ、戸惑う私にその子は微笑んだ。
その笑顔がなんとも愛しくて、私もしっかりと手を差し出す。
『よ、よろしく…ね?』
「うん!!ありがとっ!」
お礼を言うのは、こっちの方なんだけどな。
それが、私と葵の友情の始まりだった。