好きになんてなるわけねーだろ!!!
…なによ、それ。
彼女いるくせにさ。
頭に拳での圧力がかけられているため、私は自然とうつむき加減になる。
そのとき、その圧力がなくなり、私はすっと頭をあげた。
視線の先にいたのは、資料集を持った湯浅さんと、困ったような笑顔を見せる光輝。
「…あ、あの、どうぞ?」
「あ、あー。ありがと。」
2人のやり取りにクラスメートは冷やかしの声をかける。
恥ずかしそうな2人の表情に、気分が悪くなった。
知らないうちに視界が滲んでいく。
ぎゅっと拳を握りしめて、溢れだしそうななにかを押し込んで私は、顔をあげた。
『湯浅さん、かーわいっ!!光輝にはもったいないくらいだよっ!』
そうして、私は冷やかしのクラスの1人に。
降格した。