好きになんてなるわけねーだろ!!!


光輝と湯浅さんが教室から出ていったあと、なにかが切れたみたいに、再び視界が滲み始めた。


『……っ…!!』


ここにいたらダメだ。


咄嗟にそう判断した私は、廊下へと駆け出す。


「…ばか杏奈。」


葵がそう呟いていたことも知らずに。



走って走って、たどり着いたのは体育館裏。

人目につかない場所にたどり着いた私は、ずるずるっとしゃがみこんだ。


もうすぐ、体育が始まるのか、体育館の中からは騒がしい喋り声が聞こえてくる。

しばらくしてからチャイムが鳴って、私は授業をサボってしまった。


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