好きになんてなるわけねーだろ!!!
「とりあえずさ、前も言ったけど。」
永沢さんの手が伸びて、両手で私の顔をつかむ。
「俺は、楠木の笑顔を好きになったの!だから、楠木が笑顔になることを望んでる。」
まっすぐな永沢さんの言葉に、瞳に、吸い込まれそうな気分になった。
「…笑顔になれない結果なら、俺が許さない。そうなったら、また俺が告白しにいくからさ、覚悟しときなよ!」
『…笑顔、ですか。』
言われてみれば、ここ最近思いっきり笑ってないかもしれない。
笑顔、か。
『永沢さん、ありがとうございます!』
今出来る最高の笑顔を見せたつもりだ。
永沢さんは微笑んで私の頭を撫で、体育館へ戻っていった。
「…やっぱ、本当の笑顔はあいつにしか、つくれねーんだよな。」