好きになんてなるわけねーだろ!!!
結局その日はさぼってしまい、下校時間になった。
多くの人が帰っていったあと、私も帰ろうと立ち上がる。
ポツポツと歩いていると、玄関に座る葵の姿を見つけた。
葵の手には2つのスクールバックが握られている。
なんとなく、今は葵と話したくなくて、俯きがちに足を速める。
なにも言葉を交わさず、通りすぎようとしたところで、葵は口を開いた。
「そろそろ、認めなよ。」
私は振り返らずに呟く。
葵も私の方には目を向けず、話していた。
『…なにが。』
「分かるでしょ。」
冷静な葵の言葉に、私はつい、声をあらげる。
『わかんないよっ!!!』
振り返ると、葵も立ち上がってこちらを見ていた。