好きになんてなるわけねーだろ!!!
「…だから、あんたがそうやってイライラしてる理由だよ。
いつまでもそうしててもいいけど、本当に手遅れになるよ。」
しっかりしてよ、そう呟いて私の手を握った葵。
私は、下唇を噛んで、その手を振り払った。
『……いみ、わかんないから……』
葵の手から、奪うように自分のスクールバックをもぎ取り、そのまま校門へと走り抜けた。
どれくらい走り続けたんだろう、気付けばいつもの帰り道で。
走るのをやめると、どっと疲れが襲ってきた。
はぁ…はぁ…
肩で息をしながら近くの公園に入り、ブランコに座る。
家から割と近いここは、昔よく、光輝と遊んだ場所だ。
小さくブランコを漕ぐ。
ゆらゆら、ゆらゆら…。
特に意味もなく時間を潰していると、足音が聞こえてきた。