好きになんてなるわけねーだろ!!!
葵の勢いに押され流され…。
気付けば、私も葵に遠慮することなく物を言い。
一緒にいるのが当たり前という関係になっていた。
「仲岡…だっけ?お前ら、すげー仲良いのな!」
今ではクラスの違う光輝にまでそう言われるほどの仲良しだ。
その事が単純に嬉しかった私は、葵のことが大好きになっている。
「杏奈ー、クレープ食べたーーい。」
『ははは、今日の放課後行く?』
机にうつ伏せて頭を動かす葵。
出会って1ヶ月程しか経っていないというのに、
最初のイメージでは考えられないだらしなさ。
「幼馴染くんは、いいの??」
『えーー、そんなの関係ないよー!』
「え、そうなの!?」
『逆になんでって感じだよ。家が近いだけだし!』
高校生活にも馴れた、5月始め。新緑の季節。
私は、親友と校舎から出て歩き出した。