好きになんてなるわけねーだろ!!!
だいぶ時間がたって、ゲームをしていると、裕太が口を開いた。
「なんかさっき俺ばっかりだったけど、杏奈たちはどうなの?」
その言葉に少しばかり私は動揺したけど、光輝は何も気にしないようすで、すごろくの駒を進める。
「俺ーは、まあそれなりに、な。」
光輝がそう言ったので、私も冷静を繕って言う。
『私はなにもないよ。』
2人の言葉を聞いて、幸がさいころを投げながら言った。
「あれ?お兄ちゃんの好きな人って杏奈ちゃんじゃないの?てか付き合ってるよね?」
・・・・・・・・。
一瞬、空気が凍った。
「え!?そうなの!?まじかよ!」
なにも知らない裕太も驚いた顔で私たちを見る。
「普通見てればわかるでしょ!裕くん鈍すぎ。」
「えーー幸が鋭すぎなんじゃね?」
話をどんどん進めていく弟たちに、私はストップをかけた。