好きになんてなるわけねーだろ!!!


『ほーんと、甘いものには目がないよね。』

「だから、甘いもの、じゃなくて杏奈が作るのが!」


この人は、本当に必死になると何を言っているか分からなくなるんだろうか。

さっきから、私がうれしくなってしまうようなことばかり言って、私の気持ちを落ち着かせてくれない。


『分かったってば。今年も作るよ。ティラミス。』

「よっっっっしゃぁああ!!」


私が呟いた途端に、大きな声で叫ぶ彼。

本当に単純なやつ。


でも、私が作ったティラミスを食べる光輝は本当に幸せそうで、見ているこっちがうれしくなるくらいなんだ。


だから、、今年は。

いつも以上に美味しいのを。


伝えられない想いを、全部込めた特製のティラミスを。

作らないとなって、思うよ。



光輝の笑顔のために。


< 211 / 277 >

この作品をシェア

pagetop