好きになんてなるわけねーだろ!!!
『ほーんと、甘いものには目がないよね。』
「だから、甘いもの、じゃなくて杏奈が作るのが!」
この人は、本当に必死になると何を言っているか分からなくなるんだろうか。
さっきから、私がうれしくなってしまうようなことばかり言って、私の気持ちを落ち着かせてくれない。
『分かったってば。今年も作るよ。ティラミス。』
「よっっっっしゃぁああ!!」
私が呟いた途端に、大きな声で叫ぶ彼。
本当に単純なやつ。
でも、私が作ったティラミスを食べる光輝は本当に幸せそうで、見ているこっちがうれしくなるくらいなんだ。
だから、、今年は。
いつも以上に美味しいのを。
伝えられない想いを、全部込めた特製のティラミスを。
作らないとなって、思うよ。
光輝の笑顔のために。