好きになんてなるわけねーだろ!!!


部屋に入ると、光輝は私のベッドに遠慮なく寝転がって雑誌を読んでいた。


『お待たせー』


そう言うと、勢いよく起き上がり机の前に座る。

その目は、早く早く!とおもちゃをもらう前の子供の表情のようで可愛かった。


『どーぞ!ハッピーバレンタイン!』


渡すと同時に食べだす光輝。

そしてすっっっごく幸せそうに微笑んだ。


毎年見ている表情が今年はいつも以上にうれしくて。


「うっまーーーーい!!」


たくさんのチョコをもらったはずの光輝がこうして1番に私のを食べてくれたのが本当にうれしくて。

なんだか、泣きそうになってしまった。


「てか、もっと早く出せよなぁ!」


少し食べればまたいつものように憎まれ口をきく。


『だって、どうせ遅いと思ったんだもん。こんな日、何人に呼び止められるか分かんないっしょ?』


少し捻くれたいいかたになってしまったのはスルー。

だって、むかつくにはむかつくの!

こうして、私のを喜んで食べてくれるのはうれしいんだけどさ!


「はぁあ?そんなんさっさと終わらせるに決まってんだろ!?」


怒ったような言葉に私は目を見開く。


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