好きになんてなるわけねーだろ!!!
#17 俺の本音
杏奈のティラミスを食って、お土産にもう2つほど貰って。
俺は自分の部屋へと帰った。
『しっかし、美味いなー。』
そんな独り言をつぶやきながら、チョコがたっぷりの紙袋をベッドの脇に投げるように置いて、杏奈からもらったティラミスは机の上に置く。
どんだけもらっても、やっぱあいつのが、いや。あいつが1番なんだよな。
吹っ切れた、とも言えないけど。
忘れられたわけじゃないけど。
あいつは幼馴染、として考えられるようにはなった。
だけど。
袋から飛び出して床に散らばっているチョコを拾う。
今日は、告られても全部嫌だった。
チョコは好きだし、気持ちも受け止める。
杏奈を恋愛対象から消すために、これまでいろんな人と付き合った。
でも、俺の恋愛観に会う人は、未だに見つからない。
『だめだよなー、まじで。』
「お。分かってんじゃん。」
不意に誰もいないはずの部屋から声が聞こえた。