好きになんてなるわけねーだろ!!!
まぁ、その声に俺は聞き覚えがあるわけで。
すくっと立ち上がってベッドの布団を勢いよく剥ぎ取る。
すると、そこには慶太が「てへぺろっ」なんて表情で存在した。
『なんでいんだよ。』
「や、チョコあげるっつったじゃん!!」
言いながら起き上がる慶太に、昨日のやり取りを思い出す。
あぁ、そうだったかもしれない。
てか・・・
『そんなの本気にしねーよ。』
「えっ!?してよ!」
『いやいやいや、普通しねーよ?バレンタインって女子から男子だし。』
男子から男子って。
きめぇわ(笑)
それに。
『どーせお前も貰ってんだろ?』
そう言うと、ハイテンションだったのを普通に戻して、小さくうなずく。
「まぁな。でも、ほれ。俺今興味ねーし、さ?」
苦笑する慶太に、俺は昔を思い出した。
慶太。変わったよな。
あれから女遊びはがらっとやめたし。
まあ、仲岡と杏奈とは普通だけど、他の女子とは一定距離を置いてるっつーか。
あの、頬を腫らした顔が鮮明に浮かんで、慌てて首を振る。
今の方が、楽しそうだし、な。
良かった。
なーんて、1番変わっちまった俺が言うことじゃないけど。