好きになんてなるわけねーだろ!!!


「おっけー!きまり!じゃー葵ちゃん!夕食考えてよ!キッチン行こう!」

「はぁ?なんで私が…」


そう言いかけたけど、なにを思ったのか急に態度を変えて慶太くんについて行った。

部屋には、光輝と私の2人きりになる。


すると急にどきどきしだして、焦った。


「あの2人、そろそろできねーかな?」

『え!?あーうん!そうだね!!』


ちょっと声が裏返りそうになりながらも平然と返す。

雑談をしながら少し待つと、葵が部屋をのぞいた。


その上から慶太くんも顔をのぞかせる。


「なんも材料なかったから買い物行ってくる!」

「葵ちゃんがどうしてもついてきてほしいっていうから、俺も行ってくるね!」


すると、見えない向こう側から鈍い音が響く。


「そんなこと言ってないけど?」

「ご、ごめんなさい。ただの道案内です、ご一緒させてください。」

「しょうがないなーっ!ってことで行ってくるね!」


にぎやかな声が消える直前、慶太君がのりのりでウィンクした。

不思議に思って光輝を見ると、光輝は心底うざそうな顔をする。


「んだよ。」

『や、別に。』


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