好きになんてなるわけねーだろ!!!
『こ、光輝…』
「ん?」
教科書から顔を上げて、私を見る。
あの日の光輝みたいに、しっかり。
伝える。
『き、聞きたいことが、ある、の。』
震える声で言い出す。
何かが伝わったのか、光輝はすっと目を逸らして呟く。
「なに?」
『…光輝にとっての私は、、なに?』
光輝は驚いて顔を上げる。
けどすぐにまた目を逸らして、髪を掻き上げるように肘をつき、言った。
苛立ちが垣間見えるその仕草に苦しくなりながら見つめる。
「ただの、幼馴染。」
重たく返ってきたその言葉に、私の胸は痛んだ。
私は、こんなこと、光輝に言ったんだ。
なにも知らないで、あの日。
光輝を傷つけてたんだ。