好きになんてなるわけねーだろ!!!
「俺も言ったはずだけど。お前とは幼馴染でいるのが1番いいんだって。」
そして、シャーペンを握り、勉強を再開しようとした。
その姿に、私はいつかの光輝の言葉を思い出す。
『…言わなきゃなにも伝わらない。』
小さく呟いて、勉強をしようとする光輝を見据える。
『…幼馴染でいるのが1番いいのなんて分かってる。』
また口を開いた私に、光輝は困ったような顔を向けた。
『好きになんてなるわけないってずっと思ってたよ?でも、それでも好きになっちゃったんだもん。』
光輝はうざそうに髪をかく。
でも、そんな行動なんて無視して私は続けた。
『彼女ができたときいやだって思った。おかしいじゃん。私はただの幼馴染なはずなのに。』
「…もういいから。」
なだめるような口調に変わった光輝も無視する。
私は思ってることを伝えようとするのに精いっぱいだった。
だって今言わないと、また何も言えなくなる。
ずっと、どこか苦しくてモヤモヤして。
表向きは変わらないけど、どこかがおかしくて。
そんなの、もう嫌だったから。
『幼馴染だからって言い訳してずっと逃げてきた。だからあの日も光輝にあんなこと言った。でも本心じゃなかった。気づいちゃったんだもん。』
もう私は光輝の方なんて見れなかった。
無我夢中で話し続ける私を、光輝はやっぱりうざがってるのだろうか。
『私は、私はちゃんと、恋愛感情で、光輝の事がーーー』
その瞬間、光輝の唇で、私の口は塞がれた。