好きになんてなるわけねーだろ!!!
唇を強く押し当てられ、私は目を丸くする。
「…っ、ちょ……っ!こ、う…きっ!!」
なかなか離してくれない光輝に抵抗し続け、
やっとのことで唇が離れた時には、私は肩で息をしていた。
目からは大粒の涙が流れ落ちる。
もう、わけがわからなかった。
「なんで?意味わかんない。好きじゃ、ないんでしょ…?」
『好きだよ!ずっと好きだった!!』
半分キレながら言われたその言葉に、もっと涙があふれ出す。
「お前に言われてから、幼馴染での好きなんだってそう思い込むようにして、いろんなやつと付き合った。でも全然違うんだよ。」
『…いみ、わかんな…』
光輝は、泣きじゃくって顔を覆う私の手をつかみ、上を向かせた。
「だから、俺は、」
そして私の前髪を掻きあげて、おでこに触れるだけのキスをした。
とても優しいキスだった。
『わ、私っ、光輝に彼女ができたとき…っあ、あーゆう子が好きなんっだって…思って…』
泣きじゃくりながら言うと光輝はそっと私を抱きしめてくれた。
「まじか…、俺ら馬鹿すぎんだろ…」
独り言のようなそのセリフに、私は光輝の胸の中で頷く。
そして、一度離れた光輝は私に向かって最高の笑顔を見せてくれた。
「俺が好きになんてなるわけねーだろ。
お前以外、好きになれねーよ。」
『…ぅ…うぇ、っっ…ばか…ぁ。』
私も笑ってやろうと思ったのにどうしてか、涙しかでてこなくて。
なさけないバカしか出なくて。
でも、そんな私を強く抱きしめてくれる光輝になら、全部伝わってるって、そう信じたい。