好きになんてなるわけねーだろ!!!
「…ねぇ、田口。」
「ん?」
静かに家に入って買ってきたものをキッチンに置き部屋へと向かう。
「ちょっと静かすぎない?」
「…だよな、失敗したか?」
慶太はそっとドアを開けた。
「わりぃ…、遅くな…っった。」
そのとき目に入ってきた光景に、立ち止まる。
「え、ちょっとなに、そんなにやばい状況なの!?」
焦って小声にするのを忘れてる葵の唇にそっと人差し指をあてる。
そのまま部屋に視線を戻して、慶太はニコリと笑った。
「うまく、いったみたい。」
ベッドを背もたれに2人頭を寄せ合って寝てる光輝と杏奈。
仲良く手をつないで寝ていた。
「見てみ?」
慶太が葵に視線を戻すと、葵の顔は真っ赤だった。
そのときに慶太は自分の人差し指の場所を思い出す。
「わっ!?ごめ!」
「うるさいっ!!静かにしなきゃなんでしょ!?」
葵は平然のような顔をして、部屋をのぞき安心した様子でドアを閉める。