好きになんてなるわけねーだろ!!!

#19 寄り道制服デート



「ふーん!いいじゃん!寄り道デート!」

『ちょっと!声が大きい!!』


教室で葵に相談中です。

ちなみに授業中です。


『でも、変な感じだなー。デートとか言って全然やってること変わんないし。』

「仕方ないよ。今までが付き合ってるみたいな関係だったんだもん。」


当たり前のように言い放つ葵に私はため息をこぼす。


『そんなつもり、なかったんだけどなー。』

「ま、付き合ってるって意識があるかないかで結構変わるよ。」


言ってる最中に、先生に当てられた葵は、平然と「3√2です」と言って座った。

私が、なんだこいつ。という目で見ていると葵は何事もなかったように続ける。


「ドキドキしたっしょ?今日の朝とか!」

『べ!つに…そんな、普通だし。』

「どーかなっ!」


にやにやしながら呟かれて言い返そうとしたところで授業が終わった。


「さーて、お迎えが来るのかな?」


完全に楽しんでいる葵に、イラつきを抑えカバンを片す。


「やっほ!」

「うーっす。」


いつものように2人でやってきた光輝と慶太くんに葵は小さく舌打ちする。

そして慶太くんの腕をつかみ、ひそひそと話し出す。

その距離の近さに周りのクラスメートはざわついた。


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