好きになんてなるわけねーだろ!!!
「じゃーね。」
「じゃーな。」
慶太くんと葵はにこやかに手を振って背を向ける。
光輝とこんな関係になれたのは、2人のおかげだよね。
本当に、ありがとう。
後ろ姿を目で追いながら、心の中で呟く。
「なぁ!!!」
すると、光輝が2人を呼び止めた。
大きな声に不思議そうに振り向く。
「お前ら、いろいろありがとな!!」
そう叫んだ光輝を私は驚いて見上げる。
光輝は照れ臭そうに私の頭に手を置いた。
そんな様子を見て私は笑みを溢し、未だぼんやりとこっちを見ている葵と慶太くんに向かって口を開く。
『本当に、ありがとう!』
2人は顔を見合わせてから笑った。
それは本当に幸せそうに。
そしてブンブンと手を振ってくる。
だから私たちもそれに振りかえして、そのあとはお互いに背を向けて歩き出した。