好きになんてなるわけねーだろ!!!


何度も訪れたことのある家から近くの公園。

ブランコに乗って思いっきり揺れていると、光輝が自動販売機から戻ってきた。


「ん。」

『ありがと。』


あったかいホットココア。

3月で季節は春だけど、まだまだ夜は寒いからすごくいい温度です。


永沢さんと会ってから少し機嫌が悪い様子の光輝。

理由は正直分からない。


ただ、聞くにも聞けなくて私は黙ってココアを飲むことにした。

しばらくすると、光輝は重そうな口を開く。


「お前さ、永沢さんの前で泣いた?」

『え?』


泣いた…かもしれない。

体育館裏で泣いてたところを見つかっただけだけど。


「泣いたんだ。」

『うん。』


昔の事だし、なんでいま光輝がこんな話をするのか分からないけど、とりあえず素直になっておいた。


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