好きになんてなるわけねーだろ!!!
#20 好きに決まってんだろ!
新学期。
家の中はいつものように賑わしい。
「杏奈ー裕太ーさっさとご飯食べちゃってー」
「『ちょっとまってー!」』
のばしっぱなしだった髪を昨日切りに行って、ストレートボブとなった髪を整える。
片方を耳にかけて、カラフルなピンで止めて…。
っと、完璧!
すっかり着慣れた制服を素早く着て、去年より1つ多くスカートを折って。
そして部屋のドアをあけると、学ランをはおっただけの裕太がちょうど部屋から出てきたところだった。
『おはよー!』
「おはよ。」
そして、しゃべりながら階段を下りる。
『3年生だねー、受験生じゃん!』
「うん、ま、行くところ決まってるけど。」
『うちらんとこでしょ?』
「当然!」
笑顔で答えた裕太は、食卓に座ってさっそく食べだした。