好きになんてなるわけねーだろ!!!
私は残念ながら、全然見えないけど、光輝は背が高いので。
『光輝―?どう?』
たくさんの人に押しつぶされながら手だけは離さないようにして聞く。
自然と強まる手の力を感じてか、光輝も強く握ってくれた。
「んー?Aではない。あっ!!」
その声が聞こえたと思ったら、つかまっていた手がぐいっと引かれて、一気に人ごみの中から抜け出す。
解放感を幸せに感じてると、光輝がうれしそうに微笑む。
「杏奈!B!一緒!」
『やった!!』
つい、正直に喜んでから、少し後悔。
「んだよ、暗い顔して。嫌なのかよ?」
『違うけど。』
少し考えて私はひらめく。
『ちょっとだけ!時間ずらして教室行こう!!』
「はぁ!?なんで?」
光輝は気に食わない様子で顔をしかめる。