好きになんてなるわけねーだろ!!!


…だって、新学期ってだいたい噂されるし。

今、本当に付き合ってるから耐えれる気しないし。

絶対すぐ顔赤くなるし。


『絶対。冷やかされるもん。恥ずかしくて死ぬ。』


正直に言うことにした。

またこんなことで喧嘩するわけにもいかないし。


すると光輝は、ははっと笑って手を取った。


「なーに言ってんだよ!ほら、行くぞ!!」


手を取られて走り出す。

そこから先は教室まで一直線だった。


「おっはよー!!」


繋いだ手を掲げるように挨拶されて私は真っ赤になる。

そしてそれと同時にクラスがざわめく。


『ちょ…無理ーー』


私がつながれてない方の手で顔を覆うと、光輝は笑ってぽんぽんと優しく頭を叩く。


「はは、頑張れ。」


他人事じゃないんだからさー!

そのまま光輝に連れられて教室に入るもみんなの視線は私たちから逸らされない。


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