好きになんてなるわけねーだろ!!!
「…でも、葵は、傷つきもしたもんね。」
『……へ…?』
もう一度顔をあげたとき、さっきまで遠くを見つめていた杏奈は、私の顔を見て笑ってた。
「私だって、もう一人にはなりたくないもん。傷ついたことのある子は、絶対に人を傷つけない。
……信じていいんだよね?」
私は、しばらくぽかんとしていたけど、我に返って涙を拭う。
そして、しっかりと頷いた。
「うん、それじゃ、改めて。」
不意に杏奈が差し出した手。
「私の、親友になってくれる?」
今度は、杏奈から言われた言葉。
『…こちらこそ……っ…!』
杏奈の手をしっかりと握り返して立ち上がる。