好きになんてなるわけねーだろ!!!
「あ!おはよ、杏奈!」
今日から中学2年生の私の弟。
楠木裕太
お姉ちゃんである私のことを昔から呼び捨てで呼ぶし…。
生意気なことも言うけど、なんだかんだで可愛い弟だ。
『おはよ。なに、生意気に制服崩してんの?』
「なっ!悪いかよ…!俺だって今日から2年生なんだから!」
『2年生ってことは、まだ3年生がいるでしょ。悪いこと言わないからやめときなー。』
不満そうに頬を膨らます裕太。
私はその姿に、くすくすと笑いながらもご飯を食べ始めた。
ご飯を食べ終わり、諦めきれない様子で鏡を見つめる裕太に目を向ける。
「…え、杏奈…!どうしたらいい??」
悩んで悩んで、その結果、私に聞くのは、いつものことで、私は、堪えきれず、笑いをこぼした。