好きになんてなるわけねーだろ!!!
俺は、雑に教科書を鞄へと放り込んだ。
そのとき、メールの着信音が鳴る。
《葵と一緒にクレープ行》
杏奈から届いたメールを見た瞬間、俺はつい声を漏らす。
『は?』
あいつがアホなのは知ってたけど。
とうとう、日本語も分からなくなったのか。
……なんてのは冗談で。
『やっぱ、あの走りは食い意地関わってんのな。』
葵……てのは、多分仲岡のことだろう。
俺はスマホをポケットに入れ、かばんを持って教室を出た。
そういえば、1人で帰るの久しぶりかー。
……漫画でも買って帰るか。
よし、寄り道決定。
「光輝、また明日な!」
「あ、帰るんだ!ばいばーい!」
「しーゆーー!」
クラスメートの言葉に、俺は出かけていた教室を振り替える。
『ぐっばい、しーゆーまた明日ーー!』
盛りだくさんの挨拶は、クラスメートにそこそこウケた。